本屋に行ったら道具袋が書籍化していた
……え゛ー?
アレを書籍化しますかー? アイテムチートと言う設定一点だけはうまいと思ったけど、それ以外褒めるべき点が見つからなかったんだが、アレ。ちなみに私は現代に帰還した辺りで投げ出しました。あそこまで頑張った自分を褒めてあげたい。
主人公は一言で言えばただのヘタレ……と言うか典型的な自信のない人間と言う感じ。気配り上手とか家事ができるとかそういった長所らしい長所も特になく、力を手に入れてからは増長しだす辺り結構現実的ではあるのだが、現実的な小物過ぎて余りにも魅力に欠ける。
他キャラもまともに内面とか描写しないし、キャラの魅力を発揮するような掛け合いとかそういう部分もないんだよねぇ。キャラの属性をそのまま話にはめ込んでいるだけ、とでも言いますか。
文章が駄目駄目過ぎて、盛り上がるであろう場面でもちっとも盛り上がらなかったしなぁ。魔王配下の将軍の仲間割れとか決戦とか、しっかり書けばそれなりだと思うんだがなー。
まぁ、なんというかアレです。『ある種新しい形での自己投影型主人公作品』とでも捉えるのが一番正しいんじゃないですかねアレ。
なろうの自己投影型の作品と言うと、『ぼくのかんがえたさいきょうでかっこいいしゅじんこう』みたいな感じだけど、これは『ぼくみたいなにんげんでもあいてむちーとがあればおれつえーできるしはーれむもつくれるんだ』みたいな感じとでも言いましょうか。
確かアレ、主人公自身にはチート要素一切なくて、作中でヒャッハーしてるのもアイテム依存なんだよねぇ。裏を返せばアイテムなければ主人公は特に何か優れている訳でもないそこらの人間に過ぎないという。
格好いい自分の理想像を主人公に投影してちやほやされる作品を作るのと、現実の自分を投影してちやほやされる作品を作るのと、どっちが業が深いんでしょうねぇ。
現実の自分と理想の自分のギャップが、少なくとも人格面に於いては少ない、と言う点でこっちの方が自己投影して楽しめる人間的にはいいのかもねー。却って惨めになるんじゃないのかねぇと思わなくもないけど。
どーもあの出版社は作品の質がどーこーよりもどれぐらい人気があるかで書籍化してるみたいね。
書籍化に当たって文章に大幅な修正がかかってない限り買う気は全く起きませんなぁ。