脇役の分際
遂にフェザー文庫の作品をいつも行ってる本屋で発見したので脇役の分際とウォルテニア戦記を購入。地味な青年と攻撃魔術は後回し。ってか攻撃魔術は全然読んでませんし。
とりあえず脇役の分際を読了しました。
内容に関しては特にWeb版と変わった感もなく(Kの悲劇は描き下ろしだっけ?)面白かったです。作風的にある程度ネット小説のテンプレを知ってないと置いてけ堀になりそうですが。
個人的には脇役の分際みたいな、『テンプレ的な事態に微妙に巻き込まれながら傍観する』と言うタイプの話は好きですしね。理解者が多いかは正直疑問符ですけど。
一頁辺りの行数が16行なのに230頁くらいしかないのにお値段630円(税込)と言うのは少々割高感が強いですが。まぁ新規レーベルですし、メジャーなレーベルとその辺の値段を比較するのは可哀想か、なんて事を枕元に置いてあった『あなたが泣くまで踏むのをやめない!』(電撃文庫出版、税抜610円、370頁程度)を見て思ふ。
挿絵が一枚絵だけじゃなく、頁の上部とか下部なんかに結構な割合で挿入されてるのは結構よかったです。昔の漫画の小説版なんか偶にこういうのあったよね。文庫でやるのは初めて見たような気もします。
……と、ちょっと苦言混ぜつつも褒めるのメインで感想を言えればどんなによかったでしょうか。
作者さんは決して悪くないのだけれど、この作品には致命的な点が一つある。
『絵』です。
表紙絵は結構気合入ってる感じですが、中の挿絵は結構酷いです。私は絵について詳しくないので実は表紙も割と酷いのかもしれませんが。……右足がアレな気がするのは私の目がおかしいから……だよね?
まぁそんなのより目に見えて酷いのが中の絵である。全体的に服の手抜き感が酷い。ひょっとしなくてもシャツの一番下とか定規で描いてませんか? 41頁の体操服のズボンとか、影付けも皺の線もなしで一纏めに黒ベタで塗ってるから、パッと見スカートにしか見えないし。
特に104頁の会長とか、109頁の盛沢さんはガチでパッと見で酷く見えます。細かい部分の突っ込みとかじゃなくて(そんな事できるほど絵に詳しくない)、本当にパッと見て違和感が先立ちました。
104頁の会長は、シャツの下を定規で引いたせいでズボンがシャツの中に入ってるように全然見えない為、どんだけ股上の丈が短いズボン穿いてるんですか会長!? ってなりましたし。おまけに腹が太ってるように見えましたし。
109頁の盛沢さんは首がお長いんですねと言う印象が真っ先に浮かびましたが何か。後左肩どこにあるんですかこの人。肘までも短いし、手首辺りもどうなってるのかよく分からんっていうか多分確実に色々狂ってる。多分構図としては盛沢さんの手を取る会長、って感じなんでしょうが、その構図として見ても盛沢さんの手首を謎の手が握ってるように見えるし、そもそも会長の腕が見えない時点で軽くホラーだし。
キャラの顔自体は結構可愛いと思いますけどねー。全体的に体の厚みなんかを考えないで描いてるのかなぁ。
まぁ新規レーベルだし、その辺腕も人気もあるような絵師さんに頼むだけのコネとか金とかが足りなかったんでしょうと思う事にしておきます。
キャラの名前の確認がしやすいので、Web版を読んだ事がない、と言う人にはWeb版をいきなり読むよりも、こっちを読んでから続きの部分を読む事をお勧めします。
Web版も読んでるよ! って人だとまぁ……文庫本としても読みたい! ってぐらい好きって人なら買うのも大いにアリだと思います。キャラのビジュアルなんかもわかるしね。